- 行方不明のログは徒野の塔子さんから頂きました ありがとう
- テーマは頂いたものなので、セットタイトルとして以外に使用するのはご遠慮ください
ベッドの中に花畑を隠して
太陽に必要なのはフリルとビーズ
jeweled blank
>フルーツサンド
花の重みで消える幸福
だれの魔法も守らなくていい
永遠の継ぎ目をなぞる
>まふゆ
りぼんむすびの神様
ベッドに放たれる花束
抱きしめられるようふたりに生まれた
>ばらばらのほうがいい
今日を今日ではなくすため
ゆうれいに相応しい愛の言葉
寝室に海が満ちた合図
>常夜灯
ルージュ・コンフィズリ
水母か蛹かニュームーン
鎖骨を下りてゆく夕やけ
>お黙りレディ
色彩、という穢れ
落ちた空がすこしずつ火になって
きみがいることを夏と呼んだの
>秋を孕むな
途切れた輪の上でだけ会えるよ
いつかきみになる空洞たちへ
おなじかたちの永遠違い
>たいようとつき
ダイヤモンドの被膜
かんむりを編むように振るう
たましいを縒る
>プライド
リボンの端から広がる国
終わり方を知らない呪文たち
さよならだったことのある雨
>夢の続き
----------------------↑2021.8.14更新分
水底にお砂糖の万華鏡
目にしみるアイラブユーばかり
名前のかたちをはみだして、
>レモンばかりが降り積もる恋
まなざしが薄く発光する、透明になる
灯すように息を摘み取る
わたしを閉じるときいつもレモンの匂いがする
>限りなく愛に近いなにか
音速の色彩たち
光の継ぎ目が綻んでゆく
極彩に咲き懸かる透明体
>「川辺の翡翠」
君が燃やしてしまった雪
見えないものを汚すオペラ
「がらくたのはした愛」
>今日も明日も影を踏む
落下していくあらゆる富
「いとおしいと嘘をついてて」
君を知る前、366日
巻き尺のリボンと星殻で
わたしを侵す呪文をその睫毛が堰いている
3秒前わたしだった君のメロウ
>宇宙と君の破壊衝動
わたしと呼吸が分かたれたとき
砂丘にはためいているネグリジェ
太陽にもフリルは必要
>あなたの描く9.5mmの晴天
腐食した雷が喉もとまで根を張って
雨よりも澄んで不透明
「飾り羽も野いばらも同じ」
>君は僕がきらいだろう
マグカップのふちに引っかかっている言葉
日ごと遠くなる「またあした」
すべての透明に色がついてしまう
>あなたのことがすき
メビウスの輪をゆくメリー・ゴー・ラウンド
日ごと透明度を増す閃光
振り下ろされる睫毛に息も出来ない
>貴方に捧げる祈り
音のない青い呪文
鍵穴に結晶する幸い
あなたよりやさしい呪いはいらない
>運命でしかはなれられない
何を溶かしても透明な昨日
横顔のかたちに切り取られた青
薄まっていく夏を飲み干して
>「14歳のサマーソーダ」
水陸両用U.F.O
ポニーテールが人魚みたい
さかさまのノスタルジー
お好きな魔法を歌ってあげる
>サンボンリボン
火花の正しい砕き方
ただふたり氷砂糖をころがして
リボンがなければ蓋は開かない
>マーマレードジャム
羊の皮、毒もつ鱗、うす桜
どのあら野にも雨露を敷く
輪郭と光を見分けられないまま
>「ベアフット」
チヨコレイトの大災害
匿っているエディブルレター
ばけものにはビスケットの粉々を
>今日のおやつ
こぼれた未来が永遠を名乗っては夜毎
嵐くるむ繭
こんな虚ろを雪だと云う
>ミルククラウン
ブルーライトの金星とふたり
海を湛えて私を見ないで
きみの呼吸が天井を星図にしてゆく
>ねむれない夜の明度
「月がきれい」を反射する
電光とショコラート
春は地表から涌き出で、積もり、胸を潰して
>めがねの君
ただの呼吸じゃ幽霊にもなれない
灰と呼ばれるまで蕾だったもの
野良の火が私を燃やすよ
>死んだいくつもの面影に接吻
灰のひとつぶずつ花片のように
空洞に注ぐための種火
燎原に珊瑚は生るか
>死ネタ
わたしを端から四季にしていく
fluffy femme fatale
フリルとリボンを体現すれば良いのでしょ
>新しい色の爪先
飛行機は渡りのいちばん星
まだ外殻を持たない恋
折り畳んだ羽は空白を湛えたまま
>ポスト
プリズムの粒子が揺らぐ
シトロン・ソーダ・ドレンチェリー
幸福の融点、水溶性
>あなたの呼吸がうれしいの
光に温度をつけること
ドレミファの洪水
あなたはわたしのあかるい孤独
>嵐の夜
きみの匂いがさよならに染み付いている
耳鳴りが端からちょうちょになって
昨日はお砂糖の味だった水
>指切り
あなたを真冬にしてあげる
冬は水晶の気化した群れ
うまれる前抱かれていた冬
>冬がくるね
欠けてゆく月を眠りで埋めたら
まばたきは花の降るように
銀の色は昏い夜
>夜汽車
なだらかに沈んでいく明か星
人さし指に朝が溜まる
睫毛にかかる霓暈
>夜の羽根
きみの空洞にちょうどいい透明
夜を手繰る栞として
ラブソング・スーパーソニック
>しまわれない扇風機より
細胞核のオーロラが波打つ
そのまばたきはあらゆる星の融点
朝を曳くユニコーン
>スパンコールのあしあと
早生の入り日が滑り落ちてく
わたしを覆う海境が滲んで
催花の玻璃
>銀竹(ぎんちく/夕立)
体温で溶けるフローライト
オーロラが揺れるより眠たい
わたしが触れるまでうたわないで
>モッキンバード
胸に棲まうか、目だまに睡るか
唇に雨を隠しているね
いつかだった今を光らせて
>夜のいきもの
夏がすこしずつひびわれては光る
ひと声ごと暗くなる睫毛の影
ほどかれた傷が鳴り止まない
>風鈴の音
ギンガムチェックに陽だまりを引っかけて
君の匂いになれない欠陥
お皿に群れるビスケットたち
>今日はいい天気なので、なにもかもお休みにして寝ます
夜をかき混ぜたシュプール
あるときはしっぽ、あるときはリボン
クラブナイトとシンデレラ
>長針と短針
ポルカドット走る流星
さみしいときにさわれるまぼろし
「わたしが海でも掬ってくれなくちゃ嫌」
>すきな香り
降る水は透明な火の卵
百色で同じ言葉を言ってあげる
雨より遠くにいかないで
>梅雨と夏と紫陽花(と二宮匡貴)
「お砂糖は宇宙」と唱えて4つ
夕景が苺の蕾に沈んでく
君が射手座だったとしても満月は欠けない
>カフェでモーニング
渾天儀にこもれびの流星を
夏を塞ぐつめたい手
眩むたび青が深くなる気がしてた
>ラムネ
指で拭える呪いが百年あなたを抱くように
しおからい睡魔の羽ばたき
息継ぎが暗やみに上手く混ざらない
>あなたの名前がついた口紅
ひこうきは星座の部品
子守歌が息をする
暮れなずむ、の欠片を鳴らして
>眠りにつく魔法
口癖に花の模様が増えていく
かき集めた陽の光を冠にして
まだ神さまの鼻歌だったころ
>うさぎ
easy dizzy
氷の中で跳ね回る光が割れないように
ただの真夜中、という名前
>ジャズとお酒
コーヒーの澱みにもこもこの妖怪
午睡を光れアストロノーツ
きみに会うためのドレスコードが剥ぎ取られて
>ひつじの夢
ポルカドットで踊るフォーク
空腹に効く君の小言
カトラリーの運転手
>おいしいレシピ〜サラダチキン編〜
コップ一杯の海を染めて
胸に日照りの種
喉もとに月が溜まる
>朝顔
あなたが生んだ虹くらい覚えてて
まるい雨はビブラフォン
朝顔が人混みに掠れたまま
>水風船
野うさぎに羽は与えないで
小さな真冬と手飼いのまぼろし
鱗のエメラルドをあなたには剥いであげる
>りんごたべたい
プレシオサウルスの永いまばたき
結晶の遠浅が対岸まで続いて
幽霊よりも塩からい夢
>水の色
スポンジケーキに野ばらを咲かせて
音にならない文字はうす紅
傷には満たない小さな欠損
>ローズ
ポリクローム・アトモスフィア
まだ今日になれない昨日を捨てながら
前髪に絡まる星、星
>なにも言わずにすれちがう
日ごと膨らむわたあめの怪獣
恋が五感を追い越してしまう
「涙が真珠じゃおいしくないよ」
>わたしのこころに棲んでいる
まだ色を注ぐ前のフローライト
「濁れば濁るほど甘いの」
割れた虹が流れている身体
>少女
リボン結びで苦しくなれない
母音に魔法を混ぜている
呼吸のたびきみを花に埋もれさせてしまう
>まじない
空腹に詰め込む100のキス
「二人のひみつ、きみの正体が幸福ってこと」
わたしの余白がきみの形をしていたから
>レオマオお題
さっき捕まえた蛹が手の中で夜になっている
薄い海が降っていた
制服の下に隠したとげが
>初夏 について
鍾乳石が花をつける速さ
きみの背中に夏の大三角を探すこと
火星の裏へは小舟でお行き
>安らぎ について
不可視の色を何と呼べばいい
君の澄んだ失望に環をむすぼう
心音が鎖のようにこぼれ落ちて
>及川徹の夢女お題
瞼のうらに星のない夜を見ている
愛なんかで触れないで
吸って吐く透明を楽園と呼んでいた
>ヒロインになれない女の子
衛星を縛るリボン
きみで身体を薄めてほしいよ
雨よりも眠たい寝息
>ペーパーナイフ心中
揮発するオーロラをくぐる度
手織りの魔法で捕まえて
太陽はポップコーンの集合体
>好きな匂い
羽化した春が透けている
little novas
花かんむりの白が燃えているみたい
>若草
神さまの指がうたえば
抱きしめるための稲妻
胸ポケットに棲む天使
>ピカチュウ
透明な火で結んであげる
ふたり同じ影が痣みたいに広がって
入り日の下で息をして
>大倶利伽羅の夢女お題
燃える海に見下ろされている
花の匂いで縛り付けないで
更新されていく生まれ変わり
>夏のさまざまな色について
お化けの歌う「夢ならば覚めないで」
オーロラの寝床から
昨日が青くなってゆく
>眠れなかった夜のこと
まぼろしを吸って吐く
チョコレートに蒔いた種子
短い呪文は悪い魔法
>トラウマ
一つずつ海を失ってく
水溶性シグナル・レッド
夢がうるさくて聞こえなかった
>夜明けについて
満月を削る無音
痛覚に聖域が雪崩れ込んで
振りかざす慈悲がまるでステンドグラスみたいに
>神様のいない日
キャンバスの名はシトロン
あなたに聞こえなかった光たちが
膨らんでく春を飼ってた
>片思い
眠りが降るのと同じ速さ
恐竜はロリポップの花束を手に
春まではあと3曲
>都バス
まどろみの青い濃淡
あの火が過ぎた胸がずっと灼けたまま
気高さと幼さが同じ音階で
>サファイヤの毛並
零すように夜を割るブルー
映画一本分の羽ばたきの下
ばら園のピアノが乾かないうちに
>午前5時半
もぐらの巣穴から見る間に花が溢れ出して
目が覚めるといつも失くしてしまう名前
テラリウムで惑星を飼うための10か条
>あなたのこと
拭い忘れた前世が鳴る
跳ねる雨の銀、白、銀
あなたの清らを何に喩えても息が出来ない
>むらさきのすみれ
吹き出しの余白に植えるナズナ
ビスケットみたいなフリルの中
うつわに群れるは背徳の彗星ども
>夜に眠くなる前に
あばら骨を鳥の羽みたいと笑う
真冬の罅を舐めてゆく春、春よ
空洞のための羊毛・綿飴・今日の夢
>花盗人
胸はいつも花びらの形に潰れていった
待ちぼうけの嵐を撫でてよ
模様になるには拙い言葉で
>3月
目に見えるすべての悪魔たち
どの星にも"I love you"の在庫がない
「虹なんて撒き散らすためにあるんでしょ?」
>光の三原色
春のえりあしを触ったね
ポケットに入れてあげたい鼻歌
食べかけの四季でもいいからちょうだい
>二宮匡貴 春
われわれはみな試験管に注がれた海である
音になれば魔法、という綴り
運命は新芽みたいな匂いがする
>香水
鈍器と凶器とフリルと刺繍
信号に愛とか恋とか混ぜないで
沈むにも浮かぶにも必要な金貨
>チョコレート
こんな空白をまばたきで呼んで
幽霊のしっぽは三拍子
うまれるならいつか太陽が錆びる日に
>プロブレマティカ
群生している十六分音符
眠りをかぶせてくれる魔物
きみは抱きしめるための形をしてるね
>黒
テレポーテーション・ランデヴー
無垢の皮をだめにして
「リボンはほどいてしまったでしょ?」
>ショートカット
1980円でも魔女の祝福
エメラルドに水中都市が透けて見える
虹が堕ちたら迎えにおいで
>ドロシーの靴
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