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- 憂うつの透明度
- 四季の階調をかき混ぜて
- うたたねの花はレモンイエロー
- カレイドスコープのくじらたち
- リビングに放す銀河
- なくしたイヤリングの魔物たち
- まばたきに咲く真夏
- 琥珀色の空腹を満たせる何か
- 明星甘露
- 揮発してゆく夜の波
- きみがくれた呼吸が発光している
- 朝焼けが雪崩れてほどけてゆく
- 水槽は蕾の海と化して
- 砂漠に投げるジェリービーンズ
- きみばかりが好きな色になる
- オーロラ・ハーヴェスト
- まだ地図上では恐竜の国
- お菓子の暦を作りましょうよ
- ネオンの羽音を解読せよ
- 新月を飼うジャム壜
- 指一本ぶんの束縛をあげる
- 今日の悪夢はミントフレーバー
- ペンギンと踊るフォックストロット
- わたしを容易く燃やす羽毛
- 傘と雨音の密室
- 紫陽花の群れにただ一人の海
- ほどけた左手からスーパーセル
- 水蜜桃が泣けないように
- 星雲遊園
- 野火は遥か白日の限り
- こんぺいとうが擬態している木漏れ日
- バターケーキに結晶するため息
- 雲のにじいろを弾く鱗
- 銃口からこぼれてしまう太陽を
- 月を裂いたら結んであげる
- 背骨のひとつひとつ、違う花を生やして
- 車窓を撫でてゆく流星たちよ
- このたましいにきみの名がほしい
- ペーパー・メアリ
- 嵐のあとの金木犀は羽根みたい
- ストロベリームーンの融点
- 燃すためのオーロラジェム
- スパングル充つ惑星
- プリズム・ピアスホール
- サンダーボルト遠景
- ショートケーキに乗せるスピカ
- 炎の依り代としての桜花
- 横たわるきみはチューリップのかたち
- 幻燈水母
- あなたの耳鳴りを彩りたいよ
- 空白をひらく鍵
- エデンの息継ぎ記号
- 愛してるに似た音で呼んで
- 月面を埋め尽くすほどの残桜
- 澄明を侵す煙
- 雪降る音のきらきら
- ロータス・ギャラクティカ
- 花珠の睡りを溶いて
- けものたちクグロフの上でおどるよ
- 土くれもステンドグラスも同じ欠陥
- 髪を渡る夕ぐれを梳く
- 今日のきみは眠たげな雷鳴の味
- caramelized sigh
- 失ったって星さえきみの色なのに
- きみのかたちに欠けてしまう恋
- フリルの数だけ潜む怪獣
- バスタブのさみしさにわたしを浮かべて
- 火をくるんで揺れているリボン
- 日永の果てから掬い上げてよ
- 惑溺は桃花の海原
- 朝が砕けて散らばっている
- スカートのほつれを引けば金星
- 珊瑚が灯る、海界が燃える
- くもりの日の街はきみの髪の匂いがする
- メトロポリスに花が注がれて
- 金平糖を撒くような足音
- プラズマ一角獣
- 天国訛り
- 夜を孕んで発光する莢
- 虹の濁りひと粒すら飲み込んでしまう
- きみが食べるこの悪夢を甘くするために
- ケーキのいちごをかんむりにして
- 抱きしめられる幻にもなろう
- 曇天を砕く篝火
- コットンキャンディ・バトルワゴン
- 小指の爪に星を降ろしてあげる
- 街なかにガーネットの路標
- 秋桜畑の回遊魚
- プラスチックの宝石できみを誓ってよ
- ゼロを彩色く
- 水性のブルームーン
- ダーリン・レメディー
- 眠りの被膜の下のプリズム
- 愛と付くすべてはわたしを表して
- 魔法使いが感染ったみたい
- 夜からあなたがこぼれないよう
- きみがきみに書くわたしの名前
- 触れられたところがまだわたしのまま
- この身体はきみが持つただ一つの永遠
- また今日が愛を連れてきてしまう
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